11−12シーズン、良プロベストテン

シーズン終わりなので、11−12シーズンの良プロベストテン+次点三つです!
………といったところですみません。今季は1位が三つあります。本当に、この三つは下げれませんでした。
10位までは動画をくっつけるかな。っつっても12個あるのか。振り付け師も可能な限り明記しておきましょう。

1位 ジェレミー・アボット「素敵なあなた、SingSingSing」振付/ブディ・シュウィマー、ベンジー・シュウィマー

フリーについては言及しましたが、ショートについてはあんまり語っていないですかね。しかしこれは別の時に書きたいなと思うことがあるのでここでもあんまり触れません。しかし、この密度はさすが。去年の「ライフ・イズ・ビューティフル」のコミカルさと哀愁をさらに進化させたのがここにある。そして何よりもこれですごいのは、アボット自身の滑りから明確な拍子が表現されていること。お見事!

1位 ジェレミー・アボット「エクソジェネシス交響曲第三部贖い」振付/佐藤有香、ロバルト・カンパネルラ、ジェレミー・アボット

説明は不要。究極の音楽の一致、昇華されたすべてがそこにある。惜しいのは、ノーミス演技がぜひぜひ見たかった、ということです。

1位 羽生結弦ロミオとジュリエット振付/阿部奈々美

この振付はもはや、今の羽生君にしかできないものでしょう。むき出しの魂で滑る、ほとばしる、躍動感と魂、若々しいすべてがそこにあります。さらにいいのは阿部奈々美コーチの選曲。チャイコ版では手垢が付きすぎているし、ニーノロータ版ではメロディアスだし、プロコフィエフ版もなんかなーと思っていたら! この現代版ロミジュリはなんとまぁぴったり!

2位 アシュリー・ワグナーブラックスワン振付/フィリップ・ミルズ

びゅーてぃふるな振付。要するにこれは映画通りなのです。「『白鳥の湖』の黒鳥(オディール)」を演じるのではなく、「黒鳥というプリマを演じることになった人物の苦悩と葛藤」なのでしょう。私はナタリー・ポートマン主演の「ブラックスワン」は見ていませんが、それを納得させるだけの説得力がアシュリーにはありました。緊張感があり迫力があり、なおかつ美しいプログラム。お見事!ショートの「ポロック 二人だけのアトリエ」もよかったですな。動画は初優勝した今年の四大陸。全米のほうが迫力満点で好きなのですが、こっちもお目!ってことで。


3位 高橋大輔「イン・ザ・ガーデン・オブ・シークレット・ソウルズ」振付/デヴィッド・ウィルソン

大ちゃんのプログラムは去年のマンボやアルゼンチンタンゴもよかったけど、ショーでやったバチェラレットや今回のSPのような、ダークさとミステリアスさも兼ねたプログラムがとっても似合うと思うのです。勿論「道」「Luv Letter」も最高でしたが。今季ウィルソンが大ちゃんにこれを与えたのはいい選曲だなぁと思いました。フリー「ブルース・フォー・クロック」もスルメプロでした。「ブルースは避けてきたんだけど〜」と言っていた大ちゃんでしたが、普通ブルースやろうっていう人のほうが少ないんじゃないかな……? 本当にこの人の音楽を取り込む力には脱帽するばかり。来季も楽しみな選手です。
4-3を決めた全日本SPもよかったですが、NHK杯の演技のほうが神憑り的に素晴らしかったので、動画はこっちで。


4位 アレクサンドル・マヨロフ「フラメンコボレロ振付/イリーナ・マヨロワ
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鼻歌ボレロ、乳首が透けてるwwとファンの間でも言われていますね。今のマヨにはちときついかなというプロですが(ハードルが高すぎる)、これは完成するととてつもないものになると思うのです。マヨはちょっともちもち……ではなく肉感的なのか、それが関係しているかはどうかは知りませんが、ワタクシ的にはヤグディンを思い出すのです。スウェ代表ですが、彼の遺伝子はやっぱりロシアンなんだなーと思ったコレオでもあります。これの完成形が見られたら本当になく。お願いだ、続行してくれ! 来年の世界選手権でぜひ!


5位 鈴木明子「ハンガリアン・ラプソティーエドヴィン・マートン版)」振付/アンジェリカ・クリロワ

今季、アシュリーとコスに並んで「ショート・フリー両方素敵な女子選手トップ3」でした。特にNHK杯での演技は素晴らしかったですね。元々のハンガリアンはどんどん早くなる曲ですが、このマートン編曲はとにかく早い。しかし焦っているように見せていないのは彼女の実力でしょう。特に素晴らしかったのはNHK杯の演技。フリーの「こうもり序曲」も是非視聴してみてください。


6位 カロリーナ・コストナー「弦楽三重奏(ショスタコヴィッチ)」振付/ローリー・ニコル

このショスタコの曲、難解だと思います。ローリーが選んだのか、コスが自分で選んだのか、どっちかはわかりませんが、よく表現したと思います。すごいぜカロリーナ。この黄色い衣装も何とも似合っていてすごい。


7位 今井遙「無言歌Op109」振付/佐藤有香

フリーの「マイ・フェア・レディ」もなかなか良かったですが、こっちのほうが今の遙ちゃんをより素敵に見せていましたね。チェロの音色が似合う女の子もなかなかいませんぞ。結構この子はより表現面でも広くなれそう、と思ったショートでした。


8位 ミハル・ブレジナアンタッチャブル振付/パスカーレ・カメレンゴ、フランク・デーネ

映画「アンタッチャブル」はミハルのほかにロス・マイナー君に田中刑事君がいましたが、ワタクシはミハルのが一番好きですね。マイナー君もデカ君のも悪くはないんですけれど、ミハルのが一番緊張感があって男らしい振付だと思いました。これ続行してくれないかなー。ぜひ! ぜひクワドサルコウ入りで見たいなぁ。ミハルの滑りって面白いと思うんですよね。滑りが大きくってつるつる行くのに、たとえば小塚君やPちゃんが持っているようないわゆるいい意味での「正統派、優等生」的なものはなくて。でもジョニーや羽生君みたいな中性的な魅力っていうのではなく、かといってジュベールヤグディンほどごりごりしているわけではないんだよなー。
ミスが多かったこのプログラムですが、是非続行していただきたいなと思います。


9位 アリョーナ・レオノワパイレーツ・オブ・カリビアン」振付/ニコライ・モロゾフ

ひっじょうに賛否両論な振付ですね。本当にネガティブな意見もいろいろ聞きます。かくいうワタクシも、シーズン始まりは「えー、ハビエル(・フェルナンデス)のおさがりかよー」とも思いました。しかしだんだん見ていくと、あれ? 意外にあってる?ってか、はまってる? え、めっちゃよくない!? になっていったのです。シーズン後半になるにつれてどんどん良くなっていきましたね。純粋にアリョーナに似合うプログラムだと思います。キューティで溌剌としたアリョーナに、男前さをプラスさせたものだと思います。このプロを駄作というやつはかかってこい!
ワールドは神憑り的に素晴らしかったので、ワールドのを。


10位 サミュエル・コンテスティ「ラヴィ・アン・ローズ」振付/ジェラルディン・ズリーニ

素敵っつーか、歪みなくて落ち着く。なんというか、ワールドの時あの大盛り上がりしたはーにゃの次滑走だったんだけど、すっごい丁寧に滑ってて、個人的に「あー、なんか落ち着くなー」という感じで見られたものでした。フリーはパーソナルベストを更新してましたね。若さとは違った味のある演技で、年を重ねたからこそのものなのかなーと思ってみたり。にしても嫁(ジェラルディン・ズリー二)が振り付けたんだとしたら、旦那で遊びすぎだぞwww


次点その1.アルトゥール・ガチンスキーインタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」振付/ジョージ・コフトゥン
なにこれーちょうおもしれえ! 「ナルキッソス」からこう来るか!

次点その2.カロリーナ・コストナー「ピアノ協奏曲第23番」振付/ローリー・ニコル
この曲はすぐりさんのイメージがあったので、どうしてもスピード感を表せる選手がやってほしいと思っていたのです。その点のカロリーナは素敵。すぐりさんのよりよりコンテンポラリー的な要素が入っていてお見事。

次点その3.宋楠「ハンガリアン狂詩曲」振付/Feng Huang
音楽表現は悪くないっていうか、ダイナミックでいい選手なので、こうゆう曲とかSPの「レクイエム・フォー・ドリーム」とかのほうが似合ってるのかな。シニア2年目でこれを持ってきてくれたことに感謝。


ペアとダンスはそんなに見れてないんですが、デイヴィス&ホワイト組の「こうもり序曲」、ヴォロソジャル&トランコフ組の「ブラックスワン」なんかもよかったですな。



総括して:やっぱりワタクシはジェレミー・アボットの振付が一等好きみたいです。去年のランキングでも、アボットの「ライフ・イズ・ビューティフル」は不動の一位と言っていますしね。。
男子はフリー、女子はショートのほうがいいものが多かったかな。
その他、次点から漏れてしまいましたが、雑感的に今年のプログラムを。

選曲が絶妙だなぁ、ケヴィン・レイノルズの「クロノトリガー
今年のこづか君は「ナウシカ」よりも「インナー・アージ」のほうがよかったな。
アンタは普通のプロ滑らないのか、コンスタンチン・メンショフの「キルビル/月の光」
ケヴィン・ヴァンデルペレンの「仮面の男」もごりごりしていてよかったなあ。
これの完成系は見たかったなぁ、クセーニャ・マカロワの「マリリン・モンロー
復活がうれしかった、キャロライン・ジャンの「チェロ協奏曲(ドヴォルザーク)」(去年からの続行でしたが)
織田信成選手は、「チャップリン」みたいなコミカル系や「ピアノ協奏曲(グリーグ)」の正統派クラシックよりも「シェルブールの雨傘」みたいなおしゃれ系をもっと滑ってほしいなぁ。
対して中村健人君は「交響曲第3番 オルガン付き(サン=サーンス)」を是非続行させるべきだ。
愛の夢」は浅田真央のよりもアデリーナ・ソトニコワのほうが素敵だ。
女性野球チームの映画でテーマがサッカーってどういうことなの? セルゲイ・ヴォロノフの「プリティ・リーグ
かと思ったら、アレクサンドル・アブトリスペクト作品になった、セルゲイ・ヴォロノフの「アルメニアン・ラプソティー


こんな感じですかねぇ。
来季も素敵なプログラムが見られることを祈って……。