映画「るろうに剣心 伝説の最期編」

映画「るろうに剣心 伝説の最期編」見てきました! 場所はピカデリー新宿。
※この感想ではネタバレを隠しません。


……………この日、わたしは、初めて経験しました。
映画を見ながら自分の心が虚無に落ちていくのを!!!
るろ剣を見た後、今話題の実写版ぬーべーを最後の1分だけ見てみてさらに虚無に落ちましたがね)

ええっと、もし原作ファンの方に「映画版るろ剣のいいところは?」って聞かれたら、わたくしはこう答えます。
A.原作が読み返したくなる。

多分この映画、映画としてのルックスは悪くはないと思う(思いたい?)んだけど、原作ファンをことごとく怒らせるような要素は沢山あったわけで。それの一番はやっぱり四乃森蒼紫の描き方だったと思います。勝負の邪魔をされたからといって逆上して操の腹を蹴りつける蒼紫様って何かちがくね?後、あのタイミングで翁が死んじゃってたら、操との関係なんて修復不能になっちゃうんじゃないの? ええっと、何というかですね、「四乃森蒼紫というキャラクタの魅力をことごとくブチ壊し、結局は剣心の引き立て役にしかならなかった」っていうのが大問題な気がします。それに比べりゃ台詞で全部済ませた福山雅治の比古清十郎なんて許せる許せる。(すみません、全く強く見えませんでした……)主に私が虚無に落ちたのは青紫様のくだりでございます。蒼紫様好きなファンの方はどう思ったのでございましょ? むしろ1作目の武田観柳のとこで何故出さなかった? あそこで出さなかったから、蒼紫様関連の設定はほぼオリジナルでgdgdになったのか?

まあでも、京都編の内容を前半2時間半後半2時間半の計5時間で映画を作るとなると、削らなければならない部分っていうのは沢山出てきます。それは確かです。この映画の関係者が真面目に映画「るろうに剣心」という作品を、よりいいものにつくろう、という心も伝わってきています。
でもやっぱり、「ファンとして消してほしくなかった」部分というのは確かにあったわけで。この映画では十本刀のところですね。基本的には剣心のドラマだから、多多いるキャラまでそこまで描ききれないっていのうは仕方がない。でも、色々あった過去が言葉の一つで済まされちゃって「軽っ!」と叫んだ人は沢山いる筈。何かフォローが欲しかった。(特に瀬田宗次郎のとこ。剣心に案外あっさり負けちゃったのも不満なんだけど一番はその後やで。煉獄が沈んだ後十本刀が逮捕されてるとこあったけど、その後そーちゃんがどうなったかは描かれていなかったのが不満やぞ)そこまでかけなくても、それなりにバックボーンがあってこそ剣心側のドラマも光ったんじゃなかろか。
前作で楽しめたところっていうのは確かにあったわけで、それはだれもが認めるところのアクションでございます。(長すぎて疲れるところもありましたが)。その分、今回のアクションは特に見どころがなく、宗次郎と剣心の再戦とかもあっさりとしすぎていました。そーちゃんのところで天翔竜閃やらんかったのが不満やぞ。今回のアクションは、結構ごちゃごちゃでメリハリがなかった印象です。

総括としてこの映画「るろうに剣心」の長所はアクションで、だけど後編は全編に及ばず、短所は脚本と演出だったということなのかな。薫殿と弥彦は空気だったでございます。この二人は出番がなさ過ぎて可哀想だった。
ん? 笑ったところ? 勿論ありましたよ? 剣心、蒼紫、斎藤、佐之助が束でかかってもかなわないほど強すぎるでござったCCO様とか。

そんなこんなで、一緒に見た友人と「面白いか、面白くないかと聞かれれば……」とかいう話をした後虚無の状態でピカデリーを出て、本屋に行って世界堂に行っておいしいご飯を食べて回復したかなと思って友人宅に入れて頂き、つけたテレビがぬーべーの実写版でございましたという一日でした。上には上がいた。



………………あのぬーべーに比べたら、伊勢谷友介さん(結構好きです)演じる実写版るろうに剣心の蒼紫様は「強そうに見える・立ち姿は完璧」であり、真面目に映画を撮って特に前作ではすさまじいアクションを見せてくれた映画「るろうに剣心」は、全然いいものなのだと思った。