臨安水滸伝・精霊の守り人

臨安水滸伝 (中公文庫)

臨安水滸伝 (中公文庫)

解説が定金伸治で、井上祐美子さんの作品に興味があるということで、購入。
わたしは一冊本を買って、ページを開き始めるのは遅いが、読み始めたら一気にガンガン読む。100頁ほど読んで面白いと感じたら、マシンガンみたいに止まらなくなる。
話に脇役がいない。皆重要で、それぞれがいきいきと描かれている。
「金銭など、掃いて捨てるほどある。今さら増えたって、邪魔になるだけです」
「覚悟してきたのなら、最悪な事態も考えていたはずです」
「どうして北宋のひとの為に、南の人が苦しまねばならないのですか」
資生よりも蓁檜よりも文卿よりも、誰よりも冷静な風生が一番熱血だ。一番熱い。主人公だからとか、そうゆうレベルじゃなくて。音もなく颯爽と文卿の前に現れたところ(144頁ほど)とか、格好よすぎ。やっぱり中国時代小説とか、イイ・ネ!


と、最近は

アニメみたいーー。という願望から。
チャグムがどんどん人格変わってく所とかよかったな。
日本における異世界ファンタジーは漫画かライトノベルか児童書なのが不思議だ。欧米で「ハリー・ポッター」等のファンタジー小説が一般書で売られているのに対し、かたや文庫、かたやオタク支持するライトノベルと、しかも読んでる人間はオタクのレッテルを貼られている(主にライトノベルのファンタジー)この違い。一体何なのか。
それにしても、三十路で、「もう中年なんだから無理するな」とか「知らないおばさんが」とか言われる主人公は初めて見た。ある意味そういうことでもすごく新鮮だった。
トロガイの老獪さがいいですね。