彼の辿った軌跡 ――エキシビションから見る羽生結弦の演技

NHK杯が終了しました。女子はノーコメント。男子はいろいろ楽しかったですね。
ところでエキシビションでの羽生結弦選手の「花になれ」がめちゃくちゃ綺麗で美しくって、ワタクシ感動してちょっと泣いてしまいましたのよ。スケートでなくなんてね、2010年のロシアナショナルのセルゲイさんの演技見て以来ですよ。
その時に泣いたのはおそらく、いろいろあったけど、まだまだ色んな意味で万全じゃないけれど、このリンクに立っていてくれてありがとうというか。なんというか、そんな感じ。
今回の羽生君も恐らく同じような意味ですかね。

そんなわけで特別企画。
題して、「ショーナンバーから見る、羽生結弦の軌跡」


07年「SingSingSing」
※すみません見つかりませんでした……。
ノービスAを優勝したシーズンでのエキシ。昔本人が一番気に入っているプロと言っていましたね。


08〜11年「CHANGE」

パガニーニでもなく白鳥でもボレロでもなく、ワタクシはこのプロで羽生君にド嵌りしてしまったのでした。特にこのナンバーはジュニアにいた2年、そしてシニアに入ってもショーで滑っているので、音の取り方や表現面での上達がよくわかります。演技は09年のメダリスト・オン・アイス。


10年〜11年「ヴァーティゴ」U2

世界ジュニアを制したあとのスターズ・オン・アイスが初披露だっけな? レイバックイナバウアー、ハイドロプレーニング、ビールマンスピンを連続で行う。見せ場が続く。まさか15歳の男の子が腰降っちゃうとは思わなんだ。NHK杯の時のエキシはすぐさまそのシーンは顔アップになりましたね、さすがです。
当時衣装にびっくらこいた覚えがありますね。す、スケスケやんwwww


11年〜12年「サムバディ・トゥ・ラブ」

ジャスティン・ビーバー
軽快に踊る感じ。パーカー着た版とTシャツ版がありますが、私はパーカー着てほしいですね。震災のため各地でアイスショーを転々としていたので、このシーズンはショート、FSをエキシに持ってくることが多かったです。その中でショーナンバーを新しく作ってきてくれたのにびっくりです。


12年「ハロー・アイ・ラブ・ユー」

振り付けはカート・ブラウニング。一気に北米ナイズされた感じです。表現の面での新境地もありましょうが、これからもっと素敵になるはず。
にしてもカートっぽいなぁ。このちょっとのターンで加速、さらに加速っていうのは、ねえ……。


12年「花になれ」

福井でのファンタジー・オン・アイスが初披露。振り付けは宮本賢二
この衣装が似合う男子は、日本人の中でもそうはいません。うちの母は「早乙女太一みたい……」といっていました。え、それってことはめっさ美青年っつうことでファイナルアンサーですよ。
歌いながら滑ってますね。歌詞と、羽生君自身が、シンクロする部分があったのでしょう。


私は羽生君の滑りで、激情系(ロミジュリ)でも、氷炎系(情熱と冷静が混ざってる感じ。スクリャービン悲愴)、ノリノリダンス系(チェンジとか)でも好きなんですが……やっぱり彼が失ってほしくないな、と思うのは、パガニーニや白鳥であった、しなやかで優しい流れるスケーティング。(尚、ボレロはある意味で凄かったと思うので除外wあれは別の趣味に目覚めそうだ)
そのしなやかさというのは、少年期や青年期特有のあのはかない感じの美しさであるのかもしれません。それは時間が過ぎるにつれてなくなってしまうものでもあるので、羽生君自身も、時がたてば別の美しさを身に着けるだろうと思っていました。

なので今回、この「しなやかさ」というのが健在で、さらに失うどころか磨きがかかっているのを見て、ひっじょうに「美しいな」と思ってしまったのです。もしかしたら羽生君が、先天的に持ち合わせていたのが、この美しさなんじゃないかなと思った。心の健全さというか、クリアカラーな感じというか。


そんなわけで、「ショーナンバーから見る羽生結弦の軌跡」でした。


おまけとして。

銅メダルを獲ったニースワールドでのエキシ。