誰か今のライトノベル界をどうにかしてくれ。

「軽くても深く、文体を気にして書いています」
去年八月号(九月号だったかな?)のダ・ヴィンチで、桜庭一樹さんが仰っていた言葉。

私が思うに、好きな作家の文章を真似していったら似ていってしまったように、「ライトノベルを書いている感覚で小説を書くと、ライトノベルしか書けなくなる」という恐ろしさがある。
ライトノベルの真似をしてライトノベルを書いていたら、ライトノベルしか書けないのは当たり前なのである。(多分)内容にしても、実がない面白みのない話になってしまおう。
だから、ライトノベル書きはライトノベルを読まないほうがいいのである。元々軽薄な文章をこれ以上薄っぺらくしてどうするんだ。文章の軽さをストーリーで補わなければならないのに、内容まで薄くしてどうするんだ。

昨今のライトノベル界に一抹の不安を抱いている。
電撃なんか「ライトノベルを突破しろ!」というアオリまで作ったけど、一番ライトノベルらしい゛軽薄さ"が漂うのは電撃である。電撃からライトノベルを突破した人間なんていたか? ライトノベルを突破した作家って、桜庭や乙一とか村山由佳とかだよなぁ。
私が昔読んだ「月と貴女に花束を」シリーズなんか、当時中三だった私ですら「これがデビュー作といえど、これはないんじゃないんか?」と思うほど酷かった。一応、好きなキャラができたことと、イラストが椎名優と言うことで続刊続刊と買っていき、最終巻の一歩手前の5巻まで読んだが、最終的に文章の酷さは改善されなかった。オマケに内容が非常に゛ベタ"なのである。そんなことがあり、私は「月と貴女に花束を」シリーズを全巻読んでいない。まさしく「椎名優の祝福」である。イラストは素敵でも内容は酷いというライトノベルの例であるといえよう。(にちゃんで「イラストに騙された名無しさん」をめちゃんこ増やしたらしいからなー)
これの同列、もしくは劣化コピーライトノベルが月に何十冊も出される世の中だから、すごいものである。

ライトノベル作家がすべきこと。
視野をもっともっと広くすること。軽いという文章に甘えないこと。そして、物語を面白くさせるという姿勢を上げること。
……だとクロサキは思っている。

こんなん日常的にライトノベルを読んでいるクロサキが言うことではないんだろうけど。