2010トリノワールド感想(男子シングル)


トリノワールドはストリーミングサイトにかなりお世話になりました。おかげで生中継リアルタイムで観戦することが出来たので、かなりうれしいです。
日本では男子シングルのフリーのみ、生中継でしたね。生中継なのはうれしいですけど、女子は録画でゴールデンだったもんなぁ。その分、リアルタイムでの高橋のクワドフリップの感動度がかなり高かったです。
感想はフリー第3グループの面々と、個人的に気になる選手を中心に。ミクシ―の方では書きたい放題書いているので、こちらでは少しだけ自重して書きます。(苦笑)
すごく長いです。結構ミクシーで書かなかったことを書いています。ある意味そういう場所だなこの日記(苦笑)


まずは五輪よりもクワドジャンパーが多かったのが注目するところでしょう!五輪では回避してしまったジャンプを挑んでいく姿がまぶしかったです。これでブレジナ君が挑んでくれたらもっとうれしかったですが。チェコ勢はジャンパー系のスケーターが目立ちますが、スピンステップスケーティングがジャンプに引けを取らないのがいいです。
雑誌で小塚君が「四回転時代はまたくると思う」と書いているのが印象です。やっぱりクワドは男子シングルの宝だね!


日本、アメリカ、カナダが来季の枠が3ですが、カナダではパトリックはともかくとして、レイノルズがかなり頑張ったかなーという感じ。パトリックは去年も表彰台に上りましたし、ライサチェックとプルが不在のワールドでは、ここ2シーズンの傾向ではジュベールアボットを抑えれば表彰台は上がれるので、まぁ想像の範囲内。
吸いつくようなスケーティングが特徴のパトリックに対し、レイノルズは2種類の4回転を飛んでしまう選手。宇宙から4サルコウからの3連続ジャンプを届けたレイノルズですが、意外にジャンプが抜けてしまったり、他の要素で点が取れなかったり、PCSが抑えられてしまったりの、総合的な点が伸びないタイプ。四大陸の表彰台は登れましたが、13位以内に入るかな―というのがぎりぎりだったなぁと思ったり。案の定、ショートのアクセル抜けちゃうし。だから11位になって3枠を取れたのは、レイノルズの功績がありますねー。この非クワドGOE加点PCS狙おうぜの風潮の中、良く飛んだと思います。えらい!


高橋の他は、ヴァンデルペレンの方のケヴィンと、コンテスティが個人的MVP。もうケヴィンの4−3−3が漢!他がちょっとグダッても、それでもやっぱりきれいなもんはきれいなんだ!! だってビビったもん!!
コンテは……転倒を除いて、ちょっとの失敗は気にしなかったのかな?相変わらず着氷が乱れようが、転倒しようが「やっちまったハハハ」って感じなのが、すっごい好きです。
コンテの振りつけもスウェーデン軍団に負けずに個性的ですよね。意外に、ジャンプは幅跳び系ですね。ただ、セカンドは高さで飛んでしまうみたい。だから着氷が乱れやすいのかなー?と思ったり。最後の転倒したジャンプは幅がほとんどありませんでしたし。


今回泣いたのはロシアですね。。。
まず、プルシェンコがドクターストップにより欠場→代わり出場がヴォロノフに→個人的にユーロ以降ヴォロを見ていなかったので、ワールドで見られてうれしいと思いつつ、調子が心配……。ヴォロボロコンビの正念場→ショートでボロデュリンのブレードが割れて、棄権。ヴォロにロシアの枠がかかってしまう。→ショートは最近のヴォロにしてはまずまずの出来だったので、一安心→フリーで、アクセルの抜けと転倒が響いてしまい、総合14位→来季ワールドの枠がロシア1→ロシア勢も悲しいが、俺も悲しい。
ボロデュリンは……あの決断は潔すぎた。ボロはストリーミングで見られず、ISUのライブリザルトで見ていたので(ショートは第7グループから見ました)、自動更新で見て、順位のところでボロの名前がなかったのでまず驚き、スクロールして棄権したというのを見て驚き10倍でした。すぐにジャッジのところに行って棄権するという決断をした時、どう思ったんだろう。お辞儀をするボロの顔が笑っていただけに。来季強くなって帰ってきてほしいです。
でもその時、正直に思ったことは、ヴォロが落ち着いて滑れるようにっていうことでしたね。1か月振りにヴォロを見たら、すごく痩せててびっくりしました。兄貴が「腕細すぎだろ」って言ってましたし、足もかなり……。ボロデュリンの足を見た後ワールドのヴォロの足を見たら、全然太さが違うので。
ヴォロはショートもフリーも(特にショート)、気合いが十分に伝わってきました。アクセルが抜けてしまっても、コンボが途中2回転になってしまっても、4回転を決める姿が美しい。プル不在時のロシアのエースは、やっぱり君だよ。モスクワに帰るみたいだけど、本当に、続行してほしいです。


五輪から何があったんだ!? っていうぐらい絶好調な、スウェーデンシュルタイス。フリーでキッチリクワド決める&自己ベスト&良くわからないシュルタイスの摩訶不思議世界炸裂。ハハハ。バンクーバーの客もトリノの客も、レベル高ぇえ!! スケアメの時凍りついてたのに客!


アメリカ勢。ブラッドリーはまだ見れてないので、リッポンとアボを中心に。
アボのこのフリーのプロ、実はもんのすごい好きなんですよ! アボ自体は去年あたりから好きでしたが、全米で惚れ直しました。フリーのプログラムは休むところがなくてつなぎが容赦なく入ってて、だけどドラマティックに仕上がってて見ていて飽きない。今季のアボは、指先が洗練されてきましたね。欲を言えば、前の燕尾服衣装の方が好みだったんだけど(苦笑)。ダブルアクセルの転倒がかなり痛い……。でも相変わらずいい滑りです。
だから若干、腑に落ちないのが、アボとリッポンの点数にあまり差がないのがちょっと。。もっとアボのスケーティングスキルのところ、出ていいと思うんだけどな。
コーチが同じだからか、リッポンの滑りがだんだんヨナに似てきたのが残念だなー。


先輩のベルネルが欠場を表したため、チェコの先陣を切ることになったミハル。ミハルのことは上で書きましたが、これでクワドが入ったら、怖いものなしのスケーターになりそうです。五輪でもワールドでもクワドレスですが、飛べるという噂があるから是非、来季からはプロに入れてほしいです。


デニス君は……よく頑張ったと思います。ジュニアワールドでどうして崩れてしまったんでしょうね……。ショートがとってもいい出来でした。でもデニス君に関しては、スケジュールが鬼だったとしか言えない。四大陸→五輪→ジュニアワールド→ワールドって、しんでしまうぞ!!!


そして日本勢。
織田のショート切りはね。うん。何とも云わない。しかし本当に、お騒がせなやつだな。
小塚君。ショートが良すぎたからか、フリーが崩れてしまったね。久美子コーチの雑誌の記事で、こづは結構温室育ちだから、雑草に成りきれない部分があるって書いてあったね。だから好調の時のメンタル面がちょっと弱くなっちゃうのかなーという勝手な妄想。もったいなかったけど、転倒した何気にクワドが認定されてたね!
高橋。MVPです。金メダルおめでとう。クワドフリップ、かなり感動した。助走の段階で、いつもと違うの感じてたから、「これはトウループではなくフリップ行くかも! クワドの!」って思ったの、はっきりと覚えてます。そうしたらあとはもう、何も言えない。おめでとう!にしても高橋って、妖精さんみたいな雰囲気あるなぁ。そして、ショートはねっとりとジャンプ飛ぶのに、フリーはふわっと飛ぶから不思議。


まぁばーっとワールドの感想を書きましたが、今回のMVPはコンテ・ケヴィン・高橋です。白熱したなぁ観戦。
男子シングル編と書きましたが、女子シングルはここまで細かく書く気あんまないです(苦笑)。


フィギュアを真面目に見始めたのは09−10シーズンからですが、今季通して学んだことは、プログラムの善し悪しをシーズン初めに評価してしまうのは軽率なことだということでしょうか。正直ジャパンオープンで見た時とワールドで見たのでは、コンテのプロの印象が全然違いました。まぁ、ライサチェックの今季プロだけは、見れば見るほど自分の中での評価が下がっていきましたが。けしてクワドレスであることを批判しているのではなく、表現面でちょっとアレはライサがやったら……って思ったから。


来季の代々木ワールドが、また楽しみになってきました。今のところ言えることは、一枠のロシアで、誰が来ても私はロシア国旗を振れる自信があります(苦笑)。