○○とジュリエット

ロミオとジュリエット」の、ロミオとジュリエットの年齢って、原作だとロミオは16歳、ジュリエットは14歳なのですよね。ロミジュリって「カルメン」「ピアソラ」「ラフマニ2楽章」とかと並んでスケーターが良く使うテーマですけれども、実際にシニアのスケーターは絶対にロミオorジュリエットを演じるとき20代に足突っ込んでるスケーターが多いから、実年齢でのロミオって中々いないのですよね。
そんなわけで今回はスケーターが滑ったロミジュリの話。
題して「○○とジュリエット」
私が男子オタなところもあるんですけれども、ロミジュリって意外と女子シングルで滑る人が少ないんですよね。有名どころではサーシャ・コーエンサラ・ヘッケンサラ・マイアー、あらかーさんぐらい? 私的には、今井遥ちゃんがニーノ・ロータ作曲版で演じてくれないかぁと思うところもあるんですが。
※この項目はあくまでも自分の主観と印象によって以下略。


1.はーにゃとジュリエット

羽生結弦君。これは今年のドリームオンアイスかな?
フィギュアスケーターでは貴重な(苦笑)、しかも今年で17歳なので本当にリアルロミオな年齢でのフリープログラムです。曲は映画『ロミオ+ジュリエット』のサウンドトラックから(以下現代版)。レオナルド・ディカプリオが主演した現代版のロミジュリという奴ですな。
これを初めて見たのはドリームオンアイスで、後半部分のみですが、もう一目見ただけで引き込まれました。ここまで感情表現うまい選手だったっけな? とも思いましたし、一挙一動目が離せないですね。ただまぁ、初めて見たときはヴォロのロミジュリを見たときと同じように「ジュリエットいなくね?」などと思ってしまいました。が、こう……「何か」に対する激しさ、もどかしさや切なさ、というのをとってもよく感じるので、そこからはーにゃのロミジュリで「何か」が「ジュリエット」に対してだ、と演技を見て思えたら、それはそれで最高なロミジュリになるような気がします。
スケートではチャイコ版と、ニーノ・ロータ版、プロコ版は結構使い古されているので、この「ロミオ+ジュリエット」は手垢にまみれてないし、そういった意味でもはーにゃにぴったりだ、と思いました。


2.イリヤとジュリエット

イリヤ・クーリック。97年チャンピオンズファイナルのフリー。
曲は若き日のチャイコフスキーが作曲した初期の傑作、『幻想序曲ロミオとジュリエット』(以下チャイコ版)。振り付けはタチアナ・タラソワ。これ、いくら何でも鬼プロでは。イーグル→3Aとか、これ今出来る選手少ないんじゃないかなぁ。。はーにゃが出来るけど、その中でつなぎも鬼畜。今だったらトランジションのところでも確実に点が取れると思う!あまりにも振り付けが鬼畜過ぎて、ノーミスが少なかったという噂もある伝説のプログラム。
これねー、初めて見たときびっくりしました。だって「ロミオだ! ロミオがおる!!」ってマジで思いましたもん! このいけめん現在2児の父なんだぜ(長女は義理の娘だが)。当時のインタビュー(1997年の雑誌)のうろ覚えなんですが、「ロミオの持つ愛と苦悩を演じる〜」的なものを見たような気がするので。なるほど、あまりにも爆走しているのはジュリエットのことが大好きすぎる苦悩の裏づけなんだな! と理解しました。個人的には白ロミオバージョンよりも、黒ロミオバージョンのほうが大好きなんだぜ。ようつべには白バージョンしかなかったけど!


3.ランビとジュリエット

おばばさんに便乗して(笑)、ステファン・ランビエールのロミジュリのお話を。ユーロ08でのエキシ。
補足を少しだけいたしますと、ISUで長年国際ジャッジを務めた藤森恵美子さんは、「まるでジュリエットが本当にいるかのような錯覚を覚えてしまう、素敵なプログラム」と仰っていました。これは私の考えですが、フィギュアスケートの世界は基本的に美しいものが好きで好きで仕方がないという人間で構成されている世界でもあるので(田村明子さん談)、優れたプログラムや演技に対しての賞賛は惜しまないのだと思います。なもんでこのランビの「ロミジュリ」は「スケート関係者」(今回は元ジャッジの方ですね)から賞賛された典型的な例です。トリノ五輪での荒川静香さんの「トゥーランドット」で、観客だけではなくジャッジすらもスタンディングオベーションをした、という話も残っているぐらいですので。これはエキシビションでの演技ですが、白い薔薇を取り出し、
しかしねぇ。……らんびに愛されたら、ジュリエットだって窒息するでしょ!!(爆笑)


4.アダムとジュリエット

アダム・リッポン。10年のスケカナのショート。ショートでチャイコ版を持ってくるのは珍しいかな。振り付けはデヴィッド・ウィルソン。
ギリシャ彫刻のように整った顔立ちのアダム(その割りにスタイルはまぁ良くない。)なので、シーズン直前にロミジュリをやると聞いて「リッポンが陶酔したロミオを演じたら似合いそうだがそれはそれで何か腹が立ちそう!」と、思いました(苦笑、だってその通りなんだもん)。衣装も似合いすぎててびっくりするし!!
で……。これは大ちゃんと比べるのもきついですが、クーリックと比べるのが一番きついな、と思いました。個人的に、大ちゃんのロミジュリが「ジュリエットをエスコートしないロミオ」、クーリックのが「愛ゆえに爆走しまくったロミオ」だとしたら、リッポンのは? スケツーの項目では「死ぬ一秒前までのロミオ」とか書かれていたが……。


5.ダイスケとジュリエット

リッポンのところで大ちゃんの話題に触れたので、高橋大輔のを。08年四大陸選手権でのフリー。この時はヒップホップ白鳥が話題に上がったので、こっちは「フリーと総合得点でプルを超えた」ぐらいでしょうかね。
しかしまぁこのプロ見ると、中野友加里さんの話を思い出すんですよ。
ゆかりさん「08年にスウェーデンのイエデポリで開催された世界選手権の、最後のバンケットで、高橋大輔君が踊りに誘ってくれたんですけれど、いざ踊りになってみると一人でノリノリで踊っちゃって、すっごい置いてけぼりされたんです。誘ったんだったら、ちゃんと最後までエスコートして!」って、うろ覚えなんですけれど、こんな感じのことをテレビ番組で仰っていましたっけ。(爆笑)。
だからなんつうかまぁ、私にとっての大ちゃんのロミジュリは「これきっと俺ファーストなんだな」と思いました。あ、でもこのチャイコ版の曲は、あんまり好きじゃないみたいな話をチラッと聞いたので。。


6.セルゲイとジュリエット
ちょっと前の記事で書いたんですけれども、補足。だってロータ版の曲がらんびのしかなくて……。
実はヴォロのロミジュリには衣装が3パターンあって(その中でも衣装が使い回しじゃないのが一つだけ……)前書いた記事のはバンクーバーシーズンのショートの衣装だったんです。ただ、個人的に編集された曲と衣装があまりにもマッチしているので、前の記事で紹介したのが一番好きですかね。3パターンのロミジュリについては、またいずれ書こうと思います。
このロミジュリに対しての自分の感想は、前書いたとおりです。


で。私は前の記事で「理想はクーリックとはーにゃだ」と書きましたが、この意見は全然変わっておりません。クーリックのロミオっぷりは半端ないし(あくまで主観ですがw)、ロミジュリは「若さに任せて自爆しちゃった」という見方もあるので、たとえ現時点でジュリエットの影がなくても、はーにゃのは全然アリです。そう考えてみればヴォロのロミジュリもジュリエットいないがいいのか?と思ったりもしましたが……うーん。ねぇ。
ちなみに、理想のジュリエット、を探してみましたが、いませんでした! あらかーさんは強すぎなんだ……。てーか女子のロミジュリは、編曲がトンデモ編曲のものが多い!!(爆笑)
まぁ女子のロミジュリについてはいづれ書きます。