僕は君の場所までたどり着く


いつか手を出すんじゃないかと予感はしていたライトノベル細音啓ラノベは「黄昏色の詠使い」の1巻途中でそのままになってしまい、それ以来です。竹岡美穂効果もあって、主人公の男の子がとってもちっさくて可愛かったのを覚えています。
結論から言わせてもらいますと、とってもいいです。まだ1巻なので物語上の深さやスケールの大きさはこれから出てくるとして、この1巻は主人公がスタートラインに立ち、そこから真にものがたりというものが始まるのでしょう。
この作者の個人的な長所にも似た欠点として、設定めんどくさそう、という一種の人間につまづきを与える部分があると思います。いや、ある意味ファンタジー小説を書くときの、作り手の醍醐味でもあり、そして読み手の醍醐味でもある部分です。ただ、それが過度に行き過ぎるとついていけない読み手だってやっぱりいる。でもまぁ、今回のは普通に楽しめました。これを機に「黄昏色の詠使い」も探してみるよ。いえのどっかにあるからさ!


で、ワタクシは主人公のシェルティス君の存在だけで、星4つつけます。(アレ、これ前も同じようなこと言ってたような)
個人的にこの主人公、とっても好きです。細っこい男の子が幼馴染の女の子の為に双剣で戦うなんてとっても素敵じゃないですか。ラノベ的に。
要素だけ抜き取るとシェルティスはファンタジア文庫のある主人公と似ていて、それは「鋼殻のレギオス」のレイフォンです。つまり「氷結鏡界のエデン」の世界内を、浮遊大陸をグレンダンに、ソフィアの護士を武芸者に、幽幻種を汚染獣に置き換えればいい。そしてシェルティスもレイフォンも事情は異なれど、「それまで自分がいたところ」を追放されてしまっている立場にいる。(もっともシェルティスの場合は1巻最初で復職する)
でもまぁ、この二人の決定的な違いは、1巻の時点でヘタレなんだけど実は武芸に秀でてモテモテだったレイフォンに対し、1巻の時点である意味女性に囲まれてもヒロイン以外目に行ってないシェルティス君ってところでしょうか。もう、1巻の時点でヒロインのしか目に入ってない。てゆうか互いが互いしか目に入ってない。
まぁちょっと読んでて「恥ずかしい……」と思うところがあるんですが、それはヒロインと主人公があまりにも互いしか目に入ってないからぴゅあぴゅあ過ぎて見ていてつらいんです。でもそれをひっくるめていいと思います。ファンタジアで久しぶりに「続きが読みたい」と思うラノベを読んだなぁ。今度2巻買ってこよ。



でもここだけは突っ込みたい。
黄昏色の詠使い」のネイトが細っこくてちっさい可愛い系の男の子だったのに対し、
シェルティスは「17歳ぐらい、中世的で小柄」って書いてあるんだけど、


この作者はほそっこい男子書くのが好きなのか。


いや、大好きだからいいんだけどさ!