おめでとう、ケヴィン!

ヨーロッパ選手権、全米選手権はとったまま見ていないので、四大陸のお話を。これだけは書かなければ! と思ったので。
四大陸前に出ていた、田村明子さんのNumberの記事をちょっと紹介します。

<高橋、羽生と世界のライバル勢力図。四大陸選手権は日本勢が独占化も!?>
http://number.bunshun.jp/articles/-/338620

この記事では、「全米選手権も予想外の展開で3位に終ったベテランのジェレミー・アボットアメリカ代表をはずれた中、大阪の表彰台は日本男子が独占することは十分に可能だ」(原文ママ
と、最後のページでは結構強気なことを書かれています。


まぁ、全米は確かにアボットが欠場ですし(彼の場合は四大陸の代表を外れた、というより、最初から辞退していたというほうが強い)、アメリカ代表は特に全米からの期間が短すぎるので、調整が難しいと思ってました。
で、この四大陸。


ふたを開けたらとんでもない展開の連続でした。

シーズンの前半は確かに日本勢の活躍が目覚ましかった。だけど、後半になって何が起こるかわからない。ヨーロッパ選手権なんてリザルトを見る限り、「年明けから本気出す」と言わんばかりに選手たちが頑張ってましたからね(特にフランス人(笑))
だからフィギュアは面白いんだなぁと思いました。
そんなことはともかくとして!
日本勢は全体的に調子が悪そうだったなぁ。でも無良選手は着氷乱れたり軸が斜めになったりしながらも、よく転倒しなかったなぁと思います。後半ジャンプのパンクがもったいなかったなぁと思ったり。
羽生君はこの状態のまま勝っちゃダメ。
今シーズン、彼の表現面が「前シーズンは良かったけど今シーズンは魅力が半減してしまっている」との意見をちらちらと聞きますが、フリーで彼がどういうものを描きたいか、描こうとしているか、というのは彼自身が思い描いていると思うので、本当に完成するかどうかは羽生君次第です。彼に関してはロミオの印象が強いせいか、そういう勢いやきらめきをファンも求めるかもしれませんが、それもあるんだけれど私は、彼特有のしなやかさをもっと前面に出しちゃってもいいと思ってます。もちろん激情系(ロミオや悲愴)のようなものもアリです。個人的にですが、「ノートルダム・ド・パリ」は、「ロミオ」のような激しい部分と、しなやか冷静に滑る部分の共存を目指していて、それがもう少し完成していない、と思っています。
大ちゃんは……。月光の完成は、ワールドにとっとくよ。シーズン長ければこういうこともある。
まぁそんな日本勢アメリカ勢を破って優勝したのは、


カナダのケヴィン・レイノルズ


ケヴィン・レイノルズ優勝おめええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!

これで男子シングルにおけるフリーでクワド×3が認定されたのが6人目になったわけだ。(参考までに。初めて認定された大会付きで選手を紹介。ティモシー・ゲーブル99スケートアメリカ、チャン・ミン02ソルトレイク五輪、本田武史03四大陸、ブライアン・ジュベール06ロシア杯、ハビエル・フェルナンデス12GPファイナル、ケヴィン・レイノルズ13四大陸←今ここ)
ワタクシケヴィンを09年ごろから見ていましたが、彼のスケーティングがここまで上達したことに本当にうれしく思います。ステップもすごく良くなったし。
でも一番は、スローパートでここまで魅せることができたんだ、と思ったのが驚きです。今日のケヴィンはすごく丁寧に滑っていましたね。中盤のスローパートは思わず見とれました。
そしてクワド×3!ずっと入れてはいましたが、細かくDGやURをとられていたので、完璧に認定されたのが今回が初めてだったわけです。
ですが、もしかすると、最後のサルコウのコンボのダブルループは、もしかしてトリプルループの予定だったのかなぁ……。恐ろしい子!!!
もう最後のスピンの時点で観客総立ち、拍手喝采! 本当に愛されてる選手だなぁと思います。テレビの前で拍手しましたよ! こんなに素晴らしいケヴィンを見たのは久しぶり! 本人もうれしそうな顔でしたねー。
マチューのピアノ協奏曲は彼の代表作になるでしょう。本当に、長い手足をよく映えさせたプログラムだなぁと改めて思いました。

優勝、おめでとう!



……………というわけで、海外勢の底力(マックス・アーロン選手はクワドサルコウ×2!)を見れて、面白かった四大陸男子でした。