各国ナショナルが終わり、ユーロと四大陸が終わりました。ユーロでは二人のベテランろしあんの表彰台乗りが何よりもうれしかったり、四大陸ではジジュンが復調してきたわーいと思い……。
そうしてソチが来週に迫った中、こんな記事があがりました。

http://number.bunshun.jp/articles/-/781387
各国五輪代表が出揃い、ソチ本番へ。 フィギュア日本勢の全ライバル検証。
氷上の華/田村明子


フィギュアのライターと言ったら有名なのは3人。悪名高い妄想ぽえまー青嶋ひろの、技術面からもきちんと切り取ってくれる野口美恵さん、そして選手だけではなくコーチやジャッジ、コレオグラファーまで広い人脈を持つ田村明子さん。
この中で一番取材歴が長いのが田村さんで、広い人脈から持つ取材は結構読みごたえがあります。個人的にですが、特に「氷上の光と影」は、私が作品を書く上でもかなり参考にもさせて頂いています。
が……。


すみませんこの記事見て初めて田村さんの記事にカチンと来てしまいました。というか、全体的にこの記事を見ると、

この方ロシアの事情を知っていないのだろうか。

と一ファンは思ってしまいます。
まぁ、私は自分で認めるろしあんオタなので、割とロシア周辺の事情はほかのファンの皆様や、ツイッターのフォロワーさんが詳しかったりするので、そこから案外情報が得られたりするのです。本当にありがとうございます。
で。
基本的に田村さんはニューヨークを拠点に活動をなさっているようなので、ロシアの事情に疎くてもわかります。
ですが、彼女の記事を見ると「もう少し中堅の選手とか目を向けてください!」と叫んでしまうことも多々あります。カチンと来たのは初めてですが。


「ロシアフィギュアスケート連盟は、1月のブダペスト欧州選手権が終了するまで五輪代表選考は持ち越すと発表。」
→もともとロシアはワールドや五輪の出場選手を、ユーロ後に決める傾向があります。去年もそうでしたし、4年前のバンクーバーだってそうでした。



「もしコフトゥンが優勝して欧州王者になっていたら、ソチ五輪でもメダルのチャンスありとロシアの連盟は判断しただろうし、その場合はプルシェンコが落とされた可能性は高い。だが過去に繰り返しここ一番というところで失敗を重ねてきたヴォロノフブダペストで2位に入っても代表考慮の対象にならなかった。」
→寧ろロシアスケ連はもともとプルシェンコを推す気まんまんでした。タラソワはシーズンの最初から「プルの敵は健康だけ」と言っていましたし、去年2月の時点で「1枠になったらプルにするよ?」とスケ連は言っていました。
なのでコフトンは「GPFに出場しても、ナショナルチャンプになっても、ユーロでいい成績をとっても」五輪に出場できない可能性が高かったのです。
また、「選考対象にならなかった〜」のくだりなんですが、ユーロの結果を見て、「ヴォロノフも選考対象にいれるべきなのでは」というお話もスケ連の間で上がりました。この辺はロシア語のニュースにもなったはずです。

で、ですね。私が怒ったのはこれですよ。

「過去に繰り返しここ一番というところで失敗を重ねてきたヴォロノフブダペストで2位に入っても代表考慮の対象にならなかった」
ヴォロノフの名誉のために言いますと、彼がやらかしたのは10年のタリンでのユーロだけです。その前はむしろ、ここ一番というところで実力を発揮してきました。08年のイエデポリの時、たった一人で2枠に増やしてきたのはヴォロノフです。その功績を忘れておいででしょうか。
……この書き方では、あまり彼を知らない人には「(ヴォロノフは)いつも失敗する選手なのか」と誤解をされてしまうではないですか。
恐らく田村さんが「ヴォロノフがやらかした例」は10年のトリノワールドを指しているのかもしれません。が、あれを彼の責任にするとしたら酷すぎる。そして、もしあのシーズン後半のくだりを少しでも理解していたら、もっと気を使った記事になっていただろうと私は思います。


「そもそも五輪出場枠のかかった昨年度の世界選手権も、人工椎間板を入れるという大手術から回復中でなければ、プルシェンコ本人が出て2枠以上を稼いできていただろう。若手たちに不満があるとすれば、昨年の世界選手権で失敗した己を恨むしかない。」
→まず最初の「昨季の世界選手権は怪我がなければワールドにプルが出ていた」というくだり。これははっきりといえば憶測。プルは、「ワールドに出ない」と最初から言っていました。
http://www.championat.com/other/article-149349-aleksandr-gorshkov--o-kovtune-i-menshove.html
またプルは、「ユーロに出てもワールドに出ない」ということを繰り返しています。最後にまともにワールドに出たのは棄権したモスクワ05ワールドです。このことから去年のユーロを棄権しなくとも、ワールドに出場する気はなかったと推測する方が自然化と思います。
蛇足ですが、トリノの時もSP前に急きょ出場を取りやめ、代替のヴォロノフが出場しました。この時SPの公式練習4日前でした。ワールド開催中、そのあとも、プルは自分のショーでバンバン3Aを飛んでいました。この時にプルがワールドでクワドを飛ばずに、3Aまでの演技できちんとまとめていれば2枠保持することができたでしょう。


「長洲がここ何シーズンも好不調の波が激しく結果が安定しなかったことに対し、ワグナーは2年連続してGPファイナルに到達し、福岡でも3位に入賞。その安定性が見込まれての選抜だろう。先日の四大陸選手権で長洲が10位に終わった結果を見ても、USFSAの選択は妥当だったと言える。」
→全米から1週間後に四大陸、という事情をもう少し鑑みて文章書いてくださいよ!



…………とまぁ大まかに突っ込ませて頂きました。
続きは明日……。眠いので。。。