ユーリ!!!オンアイス2話

【前回までのあらすじ】
初めてのGPファイナルで惨敗した主人公・勝生勇利は傷心のまま故郷の九州に帰る。現役続行か引退かハーフハーフのまま地元にいるが、ひょんな事から世界選手権5連覇中の王者ヴィクトル・ニキフォロフに興味を持たれる。勇利の実家の温泉にやってきたヴィクトルは、ウホっいい身体&クワドの飛べそうな引き締まったケツを視聴者に堪能させながら「勇利!今日から俺は君のコーチだ!」と全裸で華麗に宣言し……


○2話総括
1.ヤコフいいコーチじゃねーか!!
2.15歳の美少年の半ケツと27歳美青年のTKBというマニア向けの映像が
3.君たちは愛について考えたことはあるかい? → 君たちは自分が思っているよりも無個性で凡庸であることを自覚した方がいいよっていうかよくそれで個性とか言えるよね観客から見たら君たちはせいぜい子豚ちゃんと子猫ちゃんだよ。


さて、2話はまずヴィクトルが日本にくる直前に遡ります。雪が降りしきるサンクトの街で、コーチのヤコフがヴィクトルの日本行きに反対します。「今休んだら戻れなくなるぞ!」というヤコフの言葉が刺さります。
……戻ってこれるか来れないかはともかくとして、いくら世界選手権5連覇中の絶対王者でも1年のブランクというものは馬鹿にできません。1年休んだだけで若い伸び盛りの選手たちはもりもり出てきますし、技術革新もかなり進んでしまうものです……ちゃんと受け持った選手の今後の競技生活のことを心配して考えて、ヤコフはいいコーチじゃないですか(1回目)。
しかしヴィクトルの意思は固く、ヤコフコーチの耳元でロシア語でさよならと告げながら「言うこと聞けなくてごめん」……と去っていきます。どうもヴィクトルは今までも大してコーチの言うこと聞いてこなかったようです。奔放すぎる選手を受け持つと大変です。コーチの血圧は大丈夫でしょうか。

そんなこんなで勇利のところにやってきたヴィクトルですが、まず(温泉を堪能し酒も飲み爆睡したのちにカツ丼をドカ食いしながら)勇利に「痩せろ」とかなりきつめに厳命します。
一方で「君のことを知りたいんだ……」と、じっくりと勇利に近づき、手を重ね、一方の手は頬に添え……ヴィクトルさん!浴衣がはだけてTKB丸見えですよ!!
一方の勇利も唐突にコーチングに来たヴィクトルの行動にうろたえつつ赤面しつつ、あこがれのヴィクトルがいることに「うれしい」と気が付きます。……お前の反応乙女だ!!!
それにしてもヴィクトル、日本を堪能し過ぎ&くつろぎ過ぎ&なじみ過ぎです。畳に布団しいて犬を抱っこしながら上半身裸で寝ています。犬はどうやって連れてきたんだ!説明しろ!!!


一方ロシア本国では「ヴィクトル・ニキフォロフが日本の勝生勇利のコーチになる」ということで大騒ぎになっていました。大量に押し寄せる記者たちにヤコフは「今はモチベーションが上がらない。一年休んで進退を考えたい」と丁寧に答えます。……自分勝手に消えた教え子のことをちゃんと答えるあたり、ヤコフはいいコーチじゃないですか(2回目)。
そんなこんなのうちにロシアのユーリ君がヴィクトルの居場所をひょんなことから突き止め……。


ロシアのユーリ君、(コーチに内緒で)来日。そのヒョウのシャツ日本の商店街で買ったんかい!! 商店街でTシャツを買ったりダサい(ユーリ君談)銅像に写メったり日本を堪能している中、ヤコフから「どこに行ったんだ!戻ってこい!!」と電話で怒鳴られます。まぁユーリ君が子供で未成年であるということもありますが、黙って勝手に消えた教え子に電話して怒鳴ってくれるなんて、ヤコフはいいコーチじゃないですか(3回目)。

はせつ町のリンクに来たユーリ君、まずはあいさつ代わりに勇利に芸術的かつファンタスティックな飛びまわし蹴りをくらわします。身のこなしが軽すぎ。そして勇利は吹っ飛び過ぎ。……この飛び回し蹴り、演技に入れてくれないかしら。キレのあるアティチュードポジションのバレエジャンプが出来そうです。ゆうゆうと滑るヴィクトルに「約束忘れたのか!」と吠えます。

そのユーリ君とヴィクトルの約束について、話はユーリ君が今よりも幼い時分に遡ります。
ユーリ君は今よりも幼い自分から才能豊かで、試合でクワドサルコウを飛んで観客を驚かせ優勝したりしていました。コーチのヤコフが「成長期の身体にクワドは負担になるからやめろ」と言ってもどこ吹く風です。
最近はジュニア選手でもフリーでクワドを入れる選手は少なくはないのですが(SPは禁止されています)、そもそもクワドジャンプ自体シニアの選手でも「1本あっただけでプログラムの緊張感が違う」と言われるほど負担のあるものです。現在は「ジュニアでもクワドがないと世界ジュニアが優勝できない」という、ひと昔前では考えられない状態なのですが、身体に負担になることは変わりありません。……成長期の選手のこともちゃんと考えて、ヤコフはいいコーチじゃないですか!!(4回目)
そんなヤコフコーチとユーリを諫める感じでヴィクトルが語り掛けます。
「君ならクワドがなくても勝てる」→「じゃあ、俺が世界ジュニアで優勝したら、ヴィクトルが振り付けてよ!」→「ああ、いいよ。最高のシニアデビューにしよう」
クワドなしでユーリが世界ジュニアで優勝したら、シニアデビューの振り付けは兄弟子。ヴィクトル自身が振り付けたプログラムがジャッジからの評価が高かったら、振り付けてほしいとも思うわけですよ。それをあっさりと了解してくれたのですから、ユーリ君にとってはこの上なく幸せな状態です。コーチの次に自分に近い人物が振り付けてくれる上に、振り付けは一級品なわけですし。それに、ちょっと論点は違いますがコレオグラファー料は置いとくとしても、ヴィクトルがユーリと同じサンクトにいるため、振り付けのために移動費や滞在費はかからないわけですし。
しかしヴィクトル約束忘れて来日。約束をすっぽかされたユーリ君は怒る……。
……ん? ちょっと待てよ。多分回想の時のユーリ君は今よりも背が低くて顔だちが幼いから、13,14歳ぐらいだと考えていいですよね? でそれでクワドサルコウ……


お前はケヴィン・レイノルズか!!!ケヴィン・レイノルズ……カナダ、バンクーバー出身のスケーター。13年四大陸選手権優勝。軸が細く回転の速いクワドが特徴で、フリーでクワド×3を実行した人類6人目。なお、彼に関しては覚えたジャンプがクワドサルコウ→クワドトウ→3Aという噂あり)


約束を果たしてもらうためにやってきたユーリと体脂肪を落とした勇利を見て、ヴィクトルが提案したのは、2人に同じプログラムを滑って一週間後に勝負してもらう、そして「勝った方のいうことをヴィクトルが聞く!」ということでした。一週間後に、温泉オンアイスが開催されます。
そんなこんなで結局ユーリ君もはせつに、しかも勇利の家に滞在。15歳の少年のあどけない背中とケツをチラ見せさせてカツ丼をドカ食いし(お前もかよ)、しまいには勇利の姉(いました。1話に出てきていました)からユリオと命名されます。いやあ、ヴィクトルの全裸が出てきたときはゲラゲラ笑ったんですが、15歳の少年のケツが!!電波に乗ってしまった!!! この回、27歳美青年のTKBといい15歳美少年の入浴シーンといい(しかもちらっととはいえ割としっかり尻を見せている)、いろいろマニア向けです。
……なんか勇利とユーリと書くのが結局ごっちゃになりそうなので、ユーリ君には申し訳ないのですがこちらの感想でもユリオと書かせていただきますね。ユリオ。ユリオと勇利。うん、うまい具合に区別できましたね。

* *

さて、2話の本題。氷上練習初日。氷の上に降り立った二人にヴィクトルが二つの曲を聞かせます。

「この曲には異なったテーマによる2つのアレンジがある。君たちにはその2つのうち、どちらかのプログラムを滑ってもらう」
共通のテーマは愛。しかし、一曲はアガペーとしての愛。もう一曲はエロスとしての愛だとヴィクトルは言います。エロ……エロ……は!


すみません、「スケート、エロ」なだけで、フィリップ・キャンデロロ版のセッボン思い出した私は阿保です。

まぁ、ロロ版セッボンの胸やけするほど本人のエロさだだもれなのはともかく、ひとつのテーマがエロ、もう一つがアガペーですが、ユリオはエロスの方の曲に反応し、勇利はアガペーの方に反応します。……まてー!!いくらヤンキーでもあんたは15歳のしょーねんでしょうが!!!いくらテーマとはいえエロいのすべったらあーかーんー!!!事案になってしまうだろうが!!!
二人の反応を見たヴィクトルの答えは……

ユリオがアガペーで、勇利がエロス!!

ありがとうヴィクトル。ユリオにエロスとか言わなくてありがとう!!私の思いをくみ取ってくれてありがとうヴィクトル!15歳の少年にエロいテーマのもの滑らせたら振付師の正気を疑います。(まぁ、振り付け次第ですし、良プロならいいぞもっとやれとか言いますけどね!)
このチョイス,私はごく自然だと普通に思いますが、勇利とユリオは不服。「どっちの個性とも逆だろ!」と反論します。が……ヴィクトルは「逆のことをやらないと驚かないだろ」とまず言います。そして……。

君たちは自分が思っているよりも無個性で凡庸であることを自覚した方がいいよっていうかよくそれで個性とか言えるよね観客から見たら君たちはせいぜい子豚ちゃんと子猫ちゃんだよ。

結構言いますヴィクトル。何も言い返せなくなり、固まる勇利とユ―リ。

う、うーんヴィクトル。現世界王者のあんたの言いたいことは(まだユリオの演技も勇利の演技も全く見てませんが)わからないでもない。でもさ、そもそも考えてみようよ。
シニアの(ジュニアとは言わない)GPファイナルまでこれた選手が「無個性で凡庸」っていうのはありえなくないですか!!?
そもそもGPシリーズ自体門戸が狭いものです。6大会あってシングルは1大会につき最大12人までという上限があります。そしてシリーズは一人2大会まで出ることが可能です。枠は6×12の72枠ですが、2大会出場する選手が20人以上いるので、実際はもっとエントリーできる選手は少ないのです。よってシリーズに出られる、という時点でかなりの実力と技術そして個性があるのです。


……という私のばばくさい思いはともかく。1週間後にヴィクトルを満足させられなかったら振り付けはなしになりますが、勝負がついたら勝った方の言うことをヴィクトルは聞くことになっています。
ユリオの要求は「ロシアに帰って俺のコーチになれ」
そして……勇利の要求は「ヴィクトルと一緒にカツ丼食べたい」

「何回でも食べたい。これからも何回でも勝って、一緒にカツ丼食べたい。だから、全力でエロス!やります!」

つまりそれは、「ヴィクトルが自分のコーチになってほしい」! というところで……次回に続く!

* * *

えーっと、今回の感想ですが、とにかくヤコフコーチ大変そうだなと。方や聞く耳持たないロシアンヤンキー、方や言うことを聞かない奔放すぎる男。でもあっちこっちで対応して、追いかけて、諫めて、心配して……いいコーチじゃないですか(5回目)。
あと今回、上のレビューでは書かなかったんですが、勇利がヴィクトルと一緒にいるのがいかにうれしいかというのと、ユリオが現れたことによる不安、というのも描いていてすごいよかったです。……そうだよね、、ユリオの方がヴィクトルと距離近いもんねというのもありますし(あります)、シニアデビューを控えた将来有望なユリオとシニア5年目であまりいい成績が残せていない自分というどんなスポーツにもある残酷な生々しさの表れとか。1話でもそれはありましたけれど。

あ、すごい今更感ある突っ込みなんですが、YOIの世界って男子の特別強化選手一人だけなの?っていうか、「どこにでもいる特別強化選手」と言ってますが特別強化選手どこにでもいねーからな!!! それを映像で見せちゃってるからな!!!


そんなわけで3話に続きます。