ジハード六巻、完読。感想前半戦。

しました。


ところで最近気付いたが、クロサキは再会系に弱いらしい。
姫神」での最後の忍穂と台与の再会でも泣きました。「ジハード外伝」のウィルフレッドとイージェの再会でも泣きそうになりました。
今回の「ジハード」では言わずもがなヴァレリーとエルシードの再会。最後の数ページで一気にきました。そして一気に泣きました。

当然ですが、死ぬ系にも弱いです。「Kishin」では忍穂の死で泣きました。今回「ジハード」では「kishin」を上回るほどたくさんの人が死にました。しかもクロサキの大好きなキャラクターがバッサバッサと死んでいきました。1からあげると主要人物が10人ほど挙げられるのではないか。

第六巻で気に入っているシーンはエルシードがジャラールに言われて土笛を飲み込むところ。アリエノールが死の直前の必死の演技もよかった。言わずもがなえる姫とヴァレリーの再会なんてはずせない。サラディンとリチャードがチェスをやってるとこなんかもいい。

全巻からあげていけばタキ=アッディーンがエルシードを殴り飛ばすとこなんかも好きです。べレンガリアとリチャードの夫婦仲なんかも。白馬エルシードと人間エルシードの喧嘩なんか大爆笑でよんだ。ウィルフレッドとヴァレリーの対決なんか血が踊りました。ルイセとウィルフレッドの追いかけっこも好き。ラスカリスが死んだとこなんか泣きたかったです。

解説者の乙一氏は「ジハードは全てが名場面である」と仰っていましたが、まさにその通りだと思います。好きな場面や名場面なんて、この話を1から追っていったらキリがありません。たくさんありすぎです。

全巻読み終わった後に、ふと気付いたことがあります。それは「大嫌いだったはずのキャラクターがいつの間にか好きになっている」という現象が起こりました。
「Kishin」では城入、「ジハード」ではアリエノールです。
特に今回のアリエノールの場合はホントに大嫌いだったんですよ。なによこいつヴァレリーに突っかかってんじゃネェよこのクソアマ!ってな感じで。でもそれが五巻に来て一転、ヴァレリーのことがホントに好きで、そのために命を賭けた人に変わります。多分クロサキはそこで好きなキャラクターになったんだと思います。

セシリアとキヤトは…突発的にでてきて突発的に消えていきましたね。そういえばJ−Books版は「キヤト」がテムジンになっていました。ちょっとしたショックでした。近所の本屋で最終巻だけ売っているのを見てしまったのです。ついで芝美奈子先生が描くウィルフレッドはどうしようもなくかわいかった。

先の「嫌いだったはずの以下略」現象の応用編として、「いつの間にか嫌いなキャラクターがいなくなっている」現象があります。
定金氏のお話ではこの二者がすごく多いのです。嫌いだったキャラクターにいつの間にか感情移入している。読み終わった後に「このキャラクターのこの行動(この言葉)はよかったな」っていう感じに気に入っていって、好きなキャラクターへとつながる。非常に多い。にくいです。


一巻から六巻まで、実に読み応えがありました。そして本で泣いたのはこれが二つ目です。ちなみに一番初めは「kishin」。
こんなことを書くと私が明らかにこの著者が好きなんだということが見え見えです。
愛嬌のあるキャラクターと全てにおいて名場面だと思えるストーリー。たくさんの笑いとちょっとの感動と涙。
そんな話が、クロサキは大好きです。


・・・・えらくながい。まだまだ書きたいことはたくさんありますが、今日はこれで。
本当にいい作品だと思います。