「ボレロ」を「フラメンコ」で滑る!?――アレクサンドル・マヨロフ


スケカナのことは全部見てからにしようかと思ったんですが、今BS朝日で見たアレクサンドル・マヨロフのフリー「フラメンコ・ボレロ」が、一目見てすっごい気に入ってしまったので、ちょっとマヨロフのことを書いてみる。

バレエを知っている方なら、「ボレロ」と聞いてベジャールとジョルジュ・ドンが出てくると思うんです。そしてオールド・フィギュアファンならトーヴィル&ディーンのサラエボ五輪のフリーダンスでしょう。一定の年の方なら「ジャッジ全員が満点」で覚えているのではないでしょうか。あと、プルさんの腰振りボレロとかww今季ロシアのアデリーナ・ソトニコワが「ボレロ」を予定しているので楽しみです。
そして「フラメンコ」はスケートでもいろんな選手が滑っていたテーマです。ヴァーチュ&モイアのバンクーバーシーズンのオリジナルダンス、本田さんの「レイエンダ」コストナーとキミーの「ガリシア・フラメンコ」、マカロワ、らんび、ケント君、ジュベール……。ちょっと数えただけでもこれだけいるのです。
モーリス・ラヴェルの「ボレロ」はずっと一定の曲調とリズムで行く曲です。ボレロ、を滑る上で、私が懸念するのは、一定だけど壮大な曲を表現しきれるかどうか、です。解説の田村岳斗さんも、「この曲は選手を助けるような曲ではない」と仰っております。


アレクサンドル・マヨロフ「フラメンコ・ボレロスケートカナダ2011 
ジャンプミスと動きにキレがないのは目をつぶってください。
彼は「韃靼人の踊り」を見たときにも思ったんですが、曲調が優雅な中でもダイナミズムを入れられる選手なのかも、と、なんとなーく思ったのですよ。ヤマトさんも言っているとおり、結構上半身が強いから、ファーストのトリプルアクセルで若干姿勢を崩しても、なんとかセカンドのダブルトウをつけられるんです。さらに上半身が強い、ということは踊れてステップが踏めることにもつながってくる、ということです。ロシアのアルテム・ボロデュリン君も上半身がとってもしっかりしてて、且つ足元は華やかに動くじゃないですか。向こうの方は普段の練習からバレエを入れているそうですから、マヨ君もその辺の結構動きもバレエのエッセンスが入っていますね。その辺の正統派感は、スウェ選手というか、ろしあんの遺伝子を感じます。(父親はヤグディンのコーチを亡命前まで務めていたアレクサンドル・マヨロフSr……なんでろしあんって、親と子の名前が一緒だったりするんだろう……)でもところどころ、動きがスウェっぽいwwwwある意味正統派ろしあんとスウェっぽいアレな感じが融合しつつも歩きがします。
この「リズムが一定」で「曲の変化もない」「フラメンコテイストにされた」ラヴェルの「ボレロ」を、マヨロフが滑り込んだら、絶対に変わるプログラムだと思いました。
ただ、この曲で世界観を作り出す、物にするのは相当な表現力が必要なんでないかな。ジェーン・トーヴィル&クリストファー・ディーン組は偉大だってわけです。


これがジュニアワールドのSP「オースティン・パワーズ
「韃靼人の踊り」がなかったのでとりあえずショートを……。
近年の「韃靼人〜}は遥ちゃん、アシュリー、雅ちゃんと女子選手が滑ってきましたが、個人的にはマヨロフのが一番舞踊っぽさを感じたなぁ。


しかし最後のコレオステップノーカン……。なんでじゃー!!